平素より私たちの活動にご賛同いただきまして心より感謝申し上げます。
2022年4月より、大学院へ進学が決まった奨学生からのお手紙を掲載いたします。
くろさんの夢の実現のためには大学院卒業が不可欠であります。これからも皆様のあたたかなご支援と応援を心よりお願い申し上げます。
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くろです。
今回は私の大学院進学に伴い支援の継続を決定してくださり誠にありがとうございます。私は、将来、公認心理師・臨床心理士として、大学院に進学し、人に寄り添える職業に就きたいと考えています。
私は、中学生の時に、妹との死別や、私とは別で暮らしている実親との関係について当時未成年だった私自身の意見はくみ取ってもらえない大人への不信感を抱き、私自身どうしたらいいのか分からず、様々な葛藤を抱えて悩んでいました。このような中、臨床心理士と出会う機会があり、自分の気持ちを自分自身が大切にすることはダメなことではないことや、実親との関係についても、話しているうちに気持ちを整理することができ、心が軽くなったように感じました。この経験が元となり、人の心に寄り添う仕事がしたいと思うようになり、某大学の心理専攻に入学しました。
私が入学した年からは、公認心理師法が施行され、臨床心理士、 公認心理師になるためには、臨床心理士、公認心理師養成カリキュラムのある大学院に進学することが受験資格要件となっていた為、私は、大学院に進学することを目標に4年間勉学に励んできました。大学在学中、妹と同じ病気を抱え、アルバイトも医師に禁止されてていた中、にじのはしファンドの皆さまからの多大な支援のおかげで勉学に励むことができ、この度、大学院にも合格することが出来ました。
学部では、実習などを通し、子どもの支援では、対象となる子どもだけではなく、保護者と関係機関とのすれ違いの修正、調整をしていくことの難しさ、職業倫理の実践の難しさなども実感することができ、心理師として対人援助をしていく上で常に心がけなければならないことを学ぶことができました。
大学院終了後は、私自身、心理職として、同じような境遇で生活してきた社会的養護出身者の支援をしたいと長らく考えていました。しかし、学部での授業や実習、ロールプレイなどを通して自分自身を見つめ直し、大学院修了後すぐにその支援をするということは、私自身の過去を過剰に照らし合わせてしまったり、よい支援につながらなくなってしったりする可能性が高いと感じることが多くなりました。このことから、まずは、精神科病院においてさまざまな悩みを持つ患者さんやクライエントの方のより良く生活ができるよう気持ちに寄り添い、問題、不安の軽減、解決ができる対人支援の道に進むことを考えています。そして、さまざまな領域で経験を積みながら、ゆくゆくは同じような境遇で過ごした社会的養護出身者の支援がしたいと考えています。
今回の大学院への進学やその間の生活の件で、県からは、公的支援を行うには制度上の限界があり、大学院進学の生活費支援は対応できないと言われているのが現状です。今回、にじのはしファンドの支援が通ったため、新たに夢を叶えるための第一歩を踏み出すことができました。
にじのはしファンドのさぽーたーのみなさま、今後とも私の夢がかなうよう、どうか応援をよろしくお願い致します。
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